海洋プラスチックごみ

海の生態系では、プラスチックごみが深刻な問題になっています。

おもちゃのパッケージから車のダッシュボードまで、いたるところで使われているプラスチックは、ごみとなり、最終的に海に蓄積され、海の生き物に大きな影響を与えます。 これまでに、900種以上の生き物で、プラスチックが体に絡まったり、体内にあったりした状態でみつかっています。

また、海に棲む哺乳類の56%、海鳥の44%、ウミガメの100%、魚の70%の種から、誤飲されたプラスチックが見つかっています。

世界のプラスチックの生産は1950年代には200万トンでしたが、2017年には4億4千万トンになり、今後も増え続けることが予測されています。

世界のプラスチックの生産量と
将来の変化


出典:UNEP (2021)

海に流れ込むプラスチックごみの量は年々増加し、現在の年間1100万トンから、2040年には年間2900万トンになると予測されています。

このままでは、2050年までに、海には魚よりプラスチックごみの量が多くなるとも言われています。

プラスチックと魚の割合
(重量比較)


出典:WEF (2016)

プラスチックごみを減らすためには、ごみの再利用やリサイクルをすすめることが重要です。 現在市場に流通しているプラスチック製品の2割以上は、再利用可能と言われています。 例えば、世界では1年間に3300億枚の使い捨てのレジ袋が作られていますが、もしこの95%を再利用可能なエコバックなどにすると、年間3000億枚を削減できることになります(WEF, 2017)。

プラスチック製品はできる限り使わない、使う場合は、リサイクル可能な製品にするか、再利用をすることを心がけ、プラスチックの生産を減らすことが求められています。

(文:大西有子)

参考文献


United Nations Environmental Programme 
(UNEP), 2021, From Pollution to Solution: A global assessment of marine litter and plastic polluition.
https://www.unep.org/resources/pollution-solution-global-assessment-marine-litter-and-plastic-pollution


World Economic Forum
(WEF), 2016, The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics. https://www3.weforum.org/docs/WEF_The_New_Plastics_Economy.pdf

WEF
, 2017, System Initiative on Environment and Natural Resource Security The New Plastics Economy Catalysing action. https://www3.weforum.org/docs/WEF_NEWPLASTICSECONOMY_2017.pdf

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