異なるバックグラウンドや経験を持つ人たちが、共通の問題を解決するためにアイデアを出し合い、方策を考案する「共創」。新型コロナが広がる前は、みんなが一つのテーブルを囲んで議論したり、輪になって話し合ったりするスタイルが一般的でした。全員で一つのポスターを囲み、ペンで書き込んだり、付箋を並べ替えたりしつつ、参加者の一体感を生みだす工夫をしていました。コロナが起こってからも、大部屋を用意し、換気に気を配り、消毒液やアクリル板を設置して、可能な限りの対策をしてきました。
それでも、お互いの距離をはかりながらの飲食禁止での打ち合わせでは、リラックスした議論はできません。遠方の人を会場に呼ぶには、「移動のリスク」も伴います。良い発想を育む環境とは、ほど遠いのが現状です。
そこで私たちは、オンラインで共創を行うためのワークショップの方法を考えました。海外の会議でよく使われているオンラインホワイトボードのMiro(ミロ)を使って、画面上に付箋やテキストを参加者みんなで書いていく方法です。
この方法を使えば、リモートでもワークショップを行うことができます。ただ、効果的に行うためには、参加者全員がツールの使い方を知っていなければならない、という問題もありました。
ワークショップに参加するためだけにオンラインホワイトボードの使い方を自主的に学ぶことは、参加者にとって大きな負担となりかねません。そのような負担を軽減するため、Miroの使い方が簡単に分かる実践ガイドを制作することにしました。制作にあたっては、ワークショップの実践に必要最低限の基本知識に絞り、短時間で学べるガイドに仕上げることで、効率よく学べるように工夫しました。また、冊子だけではなく、動画も制作し、参加者の好みに合わせて選べるようにしました。
冊子『オンラインワークショップ参加者のためのMiro基本ガイド』、動画『オンラインワークショップにおけるMiroの使い方』は、以下のページよりアクセスできます。
コロナ禍でのワークショップに、ぜひお役立てください。
尚、オンラインワークショップを企画する立場の方やファシリテーターの方には、オンラインワークショップの基本プロセスと実践例をこちらの書籍で紹介しています。
近藤、マレー(編)2022年 環境問題を見える化する:映像・対話・協創、昭和堂
第12章 アイディアを可視化し、発想を育む
――オンラインワークショップの基本プロセスと実践例(大西有子)